有馬記念 アーモンドアイは不安点だけを書いてみる
1.スカーレットカラー 岩田康誠
府中牝馬ステークスで見せた末脚は牡馬とも互角に戦えそうな素晴らしいものでしたが、前走のエリザベス女王杯は不本意な内容だったのでムラがあるタイプのようです。
ただ、最内枠を引き当てましたし、岩田騎手お得意の内ラチ沿いの追走で末脚に賭ける競馬がハマれば一発があるかもしれません。
2.スワーヴリチャード O.マーフィー
前走はマーフィー騎手の好判断もあって1年7ヶ月ぶりの勝利が2つ目のG1タイトルとなりました。
馬は充実期に入っていますし今回も注目を集めることになるでしょうが、中山コースでの成績は3走していずれも馬券圏外ですし、中山より東京の方が合っていそうです。
ここは少し評価を落としてもいいかもしれません。
3.エタリオウ 横山典弘
2走前の京都大賞典は前が残る展開のなか、上がり3ハロン最速で追い込んでいましたし、前走のジャパンカップも内が伸びる馬場で外を回されながらもバテずに最後まで踏ん張っていました。
秋3戦目で大きな上積みはありませんし、母父米国型で血統面ではあまり買いの要素はありませんが、近走の内容を見ていると押さえておきたい一頭です。
4.スティッフェリオ 丸山元気
2走前のオールカマーはすべてがうまくいっての勝利だったので、現実的には前走の天皇賞の結果がこの馬の実力でしょう。
今回は相手が強くなりますし、厳しい戦いになりそうです。
5.フィエールマン 池添謙一
凱旋門賞は重い馬場が合わなかったので、結果は度外視して問題ないでしょう。
菊花賞と天皇賞(春)を勝っておりステイヤー適性は十分あるので、ここでの巻き返しに期待したいところですが、ディープインパクト産駒は一度負けてしまうとなかなか立て直せない馬が多いので、そのあたりが心配です。
6.リスグラシュー D.レーン
どんな条件でも崩れずに結果を出してくれる本当にタフな牝馬です。
前走のオーストラリア・コックスプレートも位置取りがかなり厳しくなりましたが、短い直線で他馬を抜き去り、見事に一番人気に応えて勝利を収めました。
牝馬による春秋グラングランプリ制覇の可能性も十分あるでしょう。
7.ワールドプレミア 武豊
夏を越えて気性面の成長が著しく、菊花賞でも鞍上の好騎乗に導かれG1初制覇を成し遂げました。
初めての古馬との対戦でどこまで通用するか未知数なところはありますが、うまく運んでどこまで上位に食い込めるか楽しみです。
8.レイデオロ 三浦皇成
道悪や、柔らかくなった良馬場になると進んで行かなくなる馬なので、前走は重馬場がこたえたことが敗因なので、度外視していいでしょう。
乾いた馬場で走れれば、一気に巻き返しても不思議ない能力を持っていますが、最終追い切りがキリの影響で1日スライドすることになってしまったのが気になります。
9.アーモンドアイ C.ルメール
重箱の隅をつつくように不安点を挙げていくと、ひとつめは東京やドバイのような広いコースを中心に競馬に使われているので、中山の小回りコースになった場合にスムーズさを欠く可能性があります。
また、距離はこれまで2400mまでしか経験していないので、2500mに延びていつもの末脚を発揮できるかもポイントになります。
そして、なにより香港遠征を回避しての有馬記念参戦となるので、調整の狂いが出ているのは間違いないので、ベストの状態で出走できるかというのが最大の注目点になるでしょう。
10.サートゥルナーリア C.スミヨン
秋の天皇賞はレース前からイレ込みが激しく、スタートしてからも力みっぱなしでの競馬になっていました。
中山でG1を2勝しているようにコース適性と能力の高さは疑いようがありませんが、2走前の神戸新聞杯でもギリギリ折り合っていたような状態だったので、スムーズに競馬ができるかが心配です。
11.キセキ R.ムーア
この秋は凱旋門賞に挑戦しましたが、不良馬場の菊花賞を勝っているこの馬とはいえヨーロッパの道悪に対応することはできませんでした。
昨年の有馬記念は秋4戦目の競馬で、高速馬場の消耗の激しい競馬が続いた後だったので、見えなかった疲れがあったぶんの5着だったのでしょう。
今年は2ヶ月半間隔をあけてフレッシュな状態で臨むので、日本に戻って仕切り直しの一戦で結果を残したいところです。
12.クロコスミア 藤岡佑介
エリザベス女王杯はマイペースに持ち込むことができましたが、最後はラッキーライラックの切れ味に屈してしまいました。
ツボにはまればしぶとく踏ん張ってくれますが、牝馬限定戦での話ですし、今回のメンバーでは結果を出すのは難しいでしょう。
13.アルアイン 松山弘平
春の大阪杯はブリンカー着用2走目の効果があり馬に走る気が出ていたようですが、近走はブリンカーにも慣れレース内容が平凡になっていました。
サンデーサイレンス系の種牡馬に母父米国型の血統も有馬記念ではそれほど活躍していませんし、ここは強く推すことはできません。
14.ヴェロックス 川田将雅
菊花賞は1番人気に支持されながら3着に敗れてしまいましたが、先行馬が総崩れだった展開を考えるとよく踏ん張っていましたし、長距離戦でもしっかり折り合って運べていたことは高く評価できます。
この馬自身はG1タイトルにまだ恵まれていませんが、昨年勝ったブラストワンピースと同じダンチヒ系の血を持っていますし、並み居るG1ウィナーを飲み込む場面もあるかもしれません。
15.アエロリット 津村明秀
多少速いペースで逃げても止まらないスタミナは牝馬離れしていますし、テンのスピードは速いので、今回も逃げる可能性が高そうです。
ただ、これまでに2000mまでしか経験していないので、2500mの距離を我慢できるかが最大のポイントになります。
16.シュヴァルグラン 福永祐一
この夏のイギリス遠征の2戦は馬場や距離が合わなかったので、結果が出なかったのは仕方ありません。
前走のジャパンカップは遠征帰りの影響と道悪が合わなかったので、良馬場の中山に替わってどこまで前進できるかでしょうが、関係者の本音は引退レースの今回は無事に回ってくれればOKというのが本音かもしれません。
【ここが気になる!】
そうそうたるメンバーがそろい、予想の楽しみの多いレースになりました。
各馬、さまざまなローテーションからここに挑んできますが、この大一番に向けてフレッシュな状態でこられた馬はそれほど多くはなさそうです。
持っている能力を出し切れる状態かどうかの見極めが大切になってきそうです。
本命馬は、レース当日の9時半頃にアップ予定です!